災害が起きる前にできること|障がいのある方のための防災準備と避難のポイントBlog
災害が起きる前にできること|障がいのある方のための防災準備と避難のポイント
こんにちは、ぐろーあっぷです。
ここ数日、天気が悪い日が続いていますね。
地震や大雨、台風などの災害は、いつ起こるか分かりません。
「防災」と聞くと、非常食や防災リュックを思い浮かべる方も多いと思います。
もちろん、それらも大切な備えのひとつです。
一方で、障がいのある方にとっては、一般的な防災用品だけではなく、**「自分の場合、災害が起きたら何に困りそうか」**を考えておくことも役立つ場合があります。
たとえば、避難場所まで移動すること、災害情報を受け取ること、薬や補装具を用意すること、避難所で過ごすことなどです。
この記事では、障がいのある方が災害に備えるときに考えておきたいことを、できるだけ分かりやすく整理します。
全部を一度に準備しなくても大丈夫です。
**「これならできそう」と思うところから、少しずつ防災を見直してみましょう。**
障がいのある方が災害時に困りやすいこと
災害が起きると、普段は問題なくできていることが難しくなる場合があります。
たとえば、次のようなことです。
・災害情報を受け取ることが難しい
・避難場所まで移動することが難しい
・ エレベーターが使えず、階段の移動が必要になる
・周囲の人に自分の状況を伝えにくい
・薬や医療用品をすぐに用意できない
・車いすや補装具などが使えなくなる
・慣れない場所で不安や緊張が強くなる
・ 避難所の環境が自分に合わないことがある
もちろん、困ることは一人ひとり違います。
同じ障がいがあっても、必要な支援や苦手なことは異なるため、**「自分の場合は何が困りそうか」**を考えることが大切です。
厚生労働省も、避難所などで生活する障がいのある方について、障がい特性に応じた配慮が必要になることを示しています。
障がいの特性に合わせて防災を考えてみる
ここでは、障がいの特性ごとに「事前に考えておきたいこと」を紹介します。
ただし、これはあくまで一例です。
自分に当てはまらない項目は気にせず、**自分に必要なものだけを取り入れてみましょう。**
~ 視覚障がいがある方~
災害時には、文字や周囲の状況を目で確認することが難しい場合があります。
そのため、
・音声で災害情報を受け取れる方法を確認する
・スマートフォンの読み上げ機能などを確認する
・避難場所までのルートを事前に確認する
・必要な白杖などをすぐ持ち出せる場所に置く
・周囲の人に「声をかけてもらうと助かる」など、必要な支援を伝える
といった準備が考えられます。
~聴覚障がいがある方~
災害時の放送や呼びかけなど、音による情報を受け取りにくい場合があります。
たとえば、
・ スマートフォンなどで文字による情報を確認できるようにする
・防災情報の通知方法を確認する
・筆談やメモ、スマートフォンなど、意思を伝える方法を準備する
・ 避難所で情報を受け取る方法を事前に考えておく
などがあります。
災害時には、手話や要約筆記、文字による情報提供など、障がい特性に応じたコミュニケーション支援が行われることがあります。
~肢体不自由など、移動に支援が必要な方~
災害時には、道路の状態が変わったり、エレベーターが使えなくなったりすることがあります。
車いすを使用している方の場合は、
・ 避難経路に段差がないか確認する
・避難場所のバリアフリー状況を確認する
・ 車いすや杖などをすぐに持ち出せるようにする
・ 移動を手伝ってくれる人を事前に考えておく
・ トイレなど、避難先で必要になる設備を確認する
などを考えておくと安心につながる場合があります。
~精神障がいのある方~
突然の災害や大きな音、人が多い場所、環境の変化などによって、普段より強い不安や負担を感じることも考えられます。
そのため、
・落ち着くために必要なものを準備する
・ 普段使っているものをできるだけ持ち出せるようにする
・苦手な環境や、配慮してほしいことを家族や支援者と共有する
・避難所で困ったときに相談する相手を決めておく
・避難先の候補をあらかじめ確認しておく
といった準備が考えられます。
~知的障がいのある方~
突然の出来事や、普段と違う環境に戸惑うこともあります。
たとえば、
・避難場所を写真や地図などで確認しておく
・「災害が起きたら○○へ行く」など、分かりやすい方法で確認する
・本人が安心できるものを準備する
・家族や支援者の連絡先を分かりやすくしておく
・ 困ったときに助けを求める方法を決めておく
などがあります。
「災害が起きたときに、どうするか」を普段から少しずつ確認しておくことがポイントです。
薬・補装具・福祉用具なども防災の一部
防災用品というと、食料や水をイメージしやすいですが、普段の生活に必要なものも大切な備えです。
たとえば、
・普段使用している薬・お薬手帳や薬の情報
・補装具・車いすや杖
・コンタクトレンズや眼鏡
・補聴器・電池
・充電器・モバイルバッテリー
・コミュニケーションに使う道具
・ 生理用品・衛生用品・必要な医療用品
などです。
「これがないと普段の生活が難しくなる」というものを、一度書き出してみると分かりやすくなります。
薬については、自己判断で飲み方を変えるのではなく、普段から医療機関や薬局などに相談しながら、自分に必要な備えを確認しておくとよいでしょう。
避難所で必要になりやすい配慮を考えておく
避難所は、普段とは違う環境で多くの人が生活する場所です。
そのため、障がいのある方の場合、普段の生活では気にならないことが負担になる場合もあります。
たとえば、
・車いすで移動できるスペース
・利用しやすいトイレ
・必要な情報を受け取る方法
・ 静かに過ごせる場所
・服薬や医療に関する支援
・ コミュニケーションの方法
・補装具や福祉用具を使用するための環境
などです。
避難所には、一般の避難所だけではなく、要配慮者のための**福祉避難所**が設けられる場合があります。
ただし、福祉避難所の場所や受け入れ方法などは自治体によって異なるため、住んでいる地域の情報を確認しておくと安心です。内閣府では、福祉避難所の確保・運営に関するガイドラインも公開されています。
「避難する?自宅にとどまる?」を事前に考えておく
災害が起きたとき、「避難したほうがいいのかな?」と、その場で考えるのは大変かもしれません。
そこで、災害が起きる前に、
・自宅周辺にどのような災害の危険があるか
・避難場所はどこか・ どのルートなら移動しやすいか
・誰に助けを求められるか
・自宅にとどまる場合に必要なものは何か
などを確認しておきましょう。
災害の種類や状況によって、適切な行動は変わります。
「いつでも避難する」「いつでも自宅にいる」と決めてしまうのではなく、**地域の防災情報や避難情報を確認しながら、そのときの状況に合わせて考える**ことが大切です。
また、自宅での避難生活を選択する場合にも、支援が必要になることがあります。厚生労働省も、在宅避難をしている障がいのある方への支援について情報を示しています。
家族や支援者と共有しておきたいこと
一人で全部の防災準備をする必要はありません。
家族や支援者、普段利用しているサービスの職員などと、次のようなことを共有しておくのもひとつの方法です。
~共有しておきたい情報~
・自分の名前
・緊急連絡先/ 家族などの連絡先
・服薬について必要な情報/必要な医療・福祉サービス
・使用している補装具や福祉用具
・コミュニケーションの方法
・ 苦手なこと、困りやすいこと
・災害時にしてほしい支援
・避難場所の候補
・自宅にとどまる場合に必要な支援
特に、**「何をしてもらえると助かるのか」**を具体的に伝えておくと、周囲の人にも分かりやすくなります。
たとえば、「声をかけてもらえると助かります」「文字で伝えてもらえると分かりやすいです」「移動するときに手伝ってほしいです」など、自分に合った方法を考えてみましょう。
今週できる防災準備5つ
防災は、いきなり全部を完璧に準備しようとすると負担になることがあります。
まずは、今週できそうなことを5つだけ確認してみませんか?
□ 1.避難場所を確認する
自宅から近い避難場所や、利用できそうな避難先を確認してみましょう。
可能であれば、実際の移動ルートも確認しておくと安心です。
□ 2.「災害時に困ること」を3つ書く
たとえば、
・薬がなくなると困る
・ 階段の移動が難しい
・大きな音が苦手
などです。まずは3つだけで大丈夫です。
□ 3.必要なものを確認する
薬、補装具、眼鏡、補聴器、杖、車いす、充電器など、普段の生活に必要なものを確認しましょう。
「これがないと困る」というものから優先して考えてみましょう。
□ 4.連絡先を確認する
家族、支援者、利用しているサービスなど、災害時に連絡を取りたい相手を確認しておきましょう。
スマートフォンだけでなく、紙に書いておく方法もあります。
□ 5.家族や支援者に「困ること」を伝える
「災害が起きたら、私はこれに困るかもしれない」ということを、誰か一人に伝えてみましょう。
それだけでも、防災の大きな一歩になります。
防災は「完璧に準備すること」ではありません
災害への備えを考えると、「防災グッズを全部そろえないといけない」「非常食をたくさん準備しないといけない」「一人で避難できるようにならないといけない」と考えてしまうこともあるかもしれません。
でも、防災の方法は一人ひとり違います。
大切なのは、**自分が災害時に困りそうなことを知り、それに合わせて少しずつ準備していくこと**です。
・今日、避難場所を調べる。
・明日、薬や補装具を確認する。
・週末に家族や支援者と話してみる。
そんな小さな準備でも、防災につながります。
「全部できていないからダメ」ではありません。
まずは、自分の生活を守るために必要なことを一つだけ考えてみる。
それくらいの気持ちから、防災を始めてみてはいかがでしょうか。
災害はいつ起こるか分からないからこそ、今できる小さな準備を少しずつ積み重ねていきましょう。